2018年3月29日

ブラックパンサー – クリードの監督が放つ、もう一つの父と子の物語【映画】

カテゴリ: 映画

大きな仕事を終えて、ひさしぶりに劇場へ。アメコミ映画が大好きなのに、ここの所全然劇場で見れていなかったので、ブラックパンサー観れて本当に良かったです。

少しだけ心配だったのが、今までの作品と異なり、先に、アベンジャーズ2.5的作品「キャプテン・アメリカ シビルウォー」に出演してからの単体作品という点。

王様がヒーロー。特殊な金属ヴィブラニウムで生成され、銃弾も跳ね返すスーツという設定がすでにシビルウォーで知られてしまった状態、いわゆる出オチが済んだ状態での単体作品。

果たして他に新しい要素はあるのか?そもそも単体作品として満足させられる内容になりうるのだろうか。

それを言ったら、途中から参入してきたスパイダーマンも同じなんですが、スパイダーマンの場合は、今回で3回目のリブートという事もあり、今更能力とか、設定とかネタバレ云々を問う必要性がないほどの地名度だし、そもそも「ホームカミング」という単体作品でも、スパイダーマンの初期設定は完全に端折られているので、作り手も「もう皆だいたい分かるよね?」的な雰囲気が感じられました。

で、DCコミックはむしろ基本このスタイルで展開しているのが多いですよね。

まずバットマンVSスーパーマンにワンダーウーマンが登場してから、その後ワンダーウーマン単体作品。

ジャスティスリーグにフラッシュやアクアマン、サイボーグが登場し、今後それぞれ単体作品が公開予定と。

要は出オチを他の作品でやってしまって、その後に単体作品という流れって、面白いもの作れるの?っていう心配なんですよね。

ブラックパンサーもまた父と子の物語

しかし、そこはいい意味で裏切られましたね。

監督は「クリード チャンプを継ぐ男」のライアン・クーグラー。当然アベンジャーズサーガの一端を担っている作品ではあるんですが、単体の映画作品としての完成度が半端なかったです。

このブラックパンサーで監督三作目とは思えないクオリティでした。

前作「クリード チャンプを継ぐ男」を観て私は正直泣きました。私がロッキーファンという事もあるのですが「クリード」には過去のロッキー映画へのリスペクトはあっても、そこに寄りかからず、1つの作品としてしっかりとしたテーマがありました。

「父から子へ引き継がれるもの」

一見美しいテーマのように思えますが、受け継ぐものが必ずしも正しいこと、美しいものとは限りません。

クリードでは、主人公アドニスは、自分の存在そのものが父の、そして一族の汚点ではないか、自分は存在してはいけないのではないか?その思いを抱えて生きてきたのだと思います。

その思いをぶち破るため、己の存在を証明するための戦い、それがクリードという物語の柱なんだと。

父の過ち、一族の過ちを、引き継ぐべきか否か。

実はブラックパンサーも同様のテーマを抱えている作品でした。ライアン・クーグラー監督はクリードで過去のロッキー作品に甘えなかったように、ブラックパンサーもまた、アベンジャーズサーガの1つであるという事に寄りかかり、甘える事なく、しっかりと父と子というテーマを描ききったと思うのです。

正しいとは一体何なのか?一族を守る事なのか、世界平和に努める事なのか。

そのゆらぎの中、二人の兄弟は別々の結論を下し、悲劇が起こります。

父の思いを歪んだ形で引き継いでしまったヴィランのエリック・キルモンガーを演じるのが、クリードで主人公を演じたマイケル・B・ジョーダンというのも、また堪らないものがあります。

マーベル・シネマティック・ユニバース史上、最も悲しく、感情移入したくなるヴィランだったのではないでしょうか。

古き良き精神を忘れないアフリカ

ワカンダの設定も良かったですね。ハイテクな技術を持ちながらも、古き良きアフリカ民族としての精神を決して忘れないというのは、なにか先進諸国に対してのアンチテーゼを感じずにはいられません。

どんなに最先端の技術を持っていたとしても、人としての大事な心は失ってはいけないよ。そんな風に言っているような気がしました。

そして、やっぱり人類の祖である、アフリカ系の人に人類みな兄弟、助け合って生きていこうって言われると半端ない説得力がありますね。

オコエ姉さん最高

そしてキャラクターとしては、女戦士オコエがとにかく最高でした。どっかでみたなあと思っていたんですが、全然でてこない。ああ、誰だっけ?誰だっけ?と思いながら、鑑賞していて、後半になってやっと

「あああ!ウォーキング・デッドのミショーンだ!!」

と一人で興奮してしまいました。

というか、ブラックパンサーになるための実をすりつぶして飲まなくて強いオコエ姉さんって、ある意味ワカンダ最強なんじゃないでしょうかwww

オコエ姉さんは、アベンジャーズ:インフィニティウォーにも出演するとの事なので、今後の活躍にも目が離せませんww

サントラもいい

最後に、やっぱりサントラがいいと、個人的に好きな作品になりますね。

魂が揺さぶられるような、壮大なアフリカを感じさせるリズミカルな曲が多かったように思います。


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サムリ
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